『 おやすみ･･･愛してるよ、繭 』





会えない代わりに、と
受話器の向こうから聞こえた
リップ音。





もしかして何も言わないで
切っちゃうんじゃ･･･と
不安になっていた私の体が
一気に熱くなって、





電話の切れた携帯をきゅっと
強く握り締めて、





「 ･････私だって、愛してるよ 」





聞こえてないんだろうけど、と
幸せな気分のまま、そっと目を閉じた。