「 私、・・・・私・・・ッ 」
12月25日、0時過ぎの暗い公園。
展望台のベンチから崩れ落ちた私は
色んなものを失っていた。
「 繭、落ち着いて 」
「 私が、・・・あきを・・・・ッ 」
「 違うんだよ、繭 」
あきは気付いてた。
待て、と私に言ったのに
私は待たなくて、
私を庇って、あきは・・・・・
「 繭 」
泣き崩れる私の額に触れた
風みたいに感触のない
あきの指先は、冷たいだけだった。
冷たい風に包まれるように
抱きしめられて、
「 繭は何も悪くないんだよ 」
優しいその言葉が、胸に沁みた。