『 ───────────かな 』
「 ・・・え? 」
『 あ、いや・・・どんな写真? 』
ボソッと聞こえたその声は
小さくて聞こえなかった。
もう見るのは何度目なのか
同じ写真に視線を落として
遊園地で撮ったみたい、と言えば
その時の話を楽しそうにしてくれた。
この写真を撮ったのは
あきのお兄さんで、
その人には綺麗な奥さんがいて、
実は4人で遊園地に行ったこと。
私と奥さんがはしゃぎすぎて
お兄さんがぐったりしてたこと、
聞くたびに頭の中に”その時”が
映し出されて、思い出していく気がした。