「 ・・・梅雨、明けてないじゃん 」


「 本当にねぇ・・・ 」




変わらない天気に溜息を零して
墓地近くの駐車場に停まった
車の中に私たちは居た。




止んだり、降ったり。
こんな中お墓の掃除したって
きっと意味ないんだろうけど
することに意味があるんだ、と
お母さんに言われたら
なんだかそんな気がしてきた。




「 お花、枯れちゃわないかな 」


「 大丈夫よ。そんなに弱くないわ 」


「 ・・・そうかな 」




お母さんは結構定期的に
手を合わせに来ているらしい。
眺めが良いからと決めた場所。




こう天気が悪いと全然だけど
天気が良いときのここからの
眺めは確かに綺麗で。




「 ・・・私も死んだらここに来たい 」




できれば、家族みんな近くがいい。
そんなことを呟くと
ばかじゃないの、ってお母さんが
苦笑していた。