でも、あなたは見抜いたよね。

あたしの『嘘』に。
あたしのどうしようもない『ワガママ』に。

それでもあたしは嘘を突き通さなきゃいけない。

あなたを『好き』だから。





この世に『優しい嘘』はある。
でも、あたしはそんなに綺麗にはなれない。
なりたくてもなれない。


だから自らも『黒く』させていく。

自分で自分を『黒く』染め上げていく。


『何であたしがあなたと別れる理由が他の人が関係してんの。』


ダメだなぁ。
声が震えていく。
泣いちゃいけないのに。
あたしは『強く』無くちゃいけないのに。
『弱い人』にはなれない。

『本当にそれが理由とは思えない』


あなたは確信をついてくる。

お願い。

あたしのことを『嫌い』になって。

『好き』だなんて言わないで。

『分かった。もう終わりだね』


………………終わってしまった。



泣いちゃいけないのに。

瞳から一筋の涙が落ちて儚くきえる。