「ラセン!!」


ミストの隣にいたカンナが
声を張り上げる。


「がぁぁぁぁぁ」


人ならざるものの牙は
ラセンの喉に
深々と突き刺さっていた。

それに引き寄せられるように
次々とラセンに集まる
同じ顔をした者たち。

群がるその姿は
まるで餌を求める
不死者のようだ。


「ホントにゾンビか・・・
殺せねぇのかよ・・・」


セイトが悔しそうに呟く。

デスサイズは全員
その惨劇に
顔を背けることなく
戦いを見つめている。


「ラセンが・・・
どうしよう〜」


すでにトードは
両目を手で覆っている。


「あ・・・うぁ・・・」


ラセンの手が
地面に落ちている
自らの武器
銀の装飾でできた棒を
しっかりと握る。

次の瞬間、会場は
ラセンがデスサイズたる
ゆえんを知ることになる。


「見つけたで・・・
刈り殺せ、ゼピュロス」