「やってみせろよ、カス」


悪魔化
(悪く言えば二重人格)
したセイトが
ホムラに詰め寄る。


「目障りだ、噛み殺せ
グラジオラス」


指示を受けた
グラジオラスのつるが
一斉にホムラに伸びる。

そして突き貫く・・・






























事はなかった。


ポン


セイトの肩に
手が置かれる。


「は、早・・・い」


「やって、みる?」



ガォーン!!



銃声の様な音が
森にこだました。


「に・・・げ・・ろ・・・
み・・・んな」


セイトの体が透き通って
やがて消えていった。

仲間の敗北に
驚愕するカエンたち
驚きの余り体が動かない。

その呪縛を破り
最初に行動を起こしたのは
カエンとハゼルだった。


「ホムラぁぁぁ!!」


「よせ!!カエン」


飛びかかろうとするカエンと
必死に阻止するハゼル。

ミストとトードも
やっと我にかえる。


「セイトが一撃だぞ!!
勝てっこないんだ!!!
一旦引こう」


「わかってる・・・
わかってる・・・けど!!!
仲間をやられて
黙ってるほど
俺はお人好しじゃない!!」


腰から双刀を
引き抜くカエン。

その刃は、月明かりに
照らされて
黒い妖しさを放っていた。


「はあァァァ!!」


縦横無尽に
斬りまくるカエン。

しかし、その刃は
ホムラにかする事すら
なかった・・・。


「邪魔だよ・・・」


コオォォォ


ホムラの右手が紅く光る。


【緋焔】


や・・・ば・・い


「クソッ!!」


しかし、ホムラの炎でも
カエンを捉える事は
できなかった。


「早いね、アンタ」


その時、ミストが
意外な事に気づく。









「あれ・・・?」