ピンク色の巨大な花が
無数の牙を生やした
口を広げて
待ち構えていた。
その大きさは
ゆうに人間
五十人分はあった。


「うわぁぁぁぁ
ば、バケモノ」


ハヤトはそこらに
生えている雑草に
しがみつき
必死に堪えるが
しまいに力尽き
グラジオラスに
呑み込まれていった。


「よくもやってくれたね」


よく通る大きな声で

誰かが叫ぶ。

紅い髪、整った顔立ち
そして尖った耳・・・

回りに四人の魔族を従える
その姿は威風堂々。

間違いなくイフリートの
リーダー、ホムラだと
カエンたちには分かった。


「アンタら、消されたいの??」