【ブラッディーボム】

火の魔術はどんなものでも
媒介にすることが可能である

そう、それが術者の
血液だとしても・・・。


「こんの・・・爆弾狂が」


苦しそうに脇腹を押さえながら
息も絶え絶えに呟くセイト。


ソルトの落とした血液は
まるで地雷のように
セイトの周りを取り囲んでいた。


単発ながらも
その威力は凄まじく
確実にセイトの
体力を奪っていく。


もう余力もあまり残っていない
幸いソルトの手と足を封じてある
一か八かに賭けるコトが
セイトの最後の抵抗だった。


「貴様等まとめて
死なせてやるよ!!
目標捕捉、掟術
【夢魔の耳詮】(ラヴァロール)
ハゼルたちの
聴く動作を否定する」


メンバーの周りにだけ
浮かび上がる
妖しげな魔方陣。


「味方にかけるなんて
ヤキがまわったのかぁぁ?」


そんな暴言には耳も貸さず
集中をとぎらせない
ディアブロ一の切れ者セイト

その時の彼にはもう
何十手先の戦略までもが
見えているようだった。


「範囲捕捉
いい声で哭いてくれよ・・・

魔界植物【マンドラゴラ】召喚」


特大の葉を引き抜くと
その下から現れたのは


なんと、人の姿をした
怪物だった。