ぶちぶちと何かが
切断されるような音と共に
セイトに歩み寄ってくるソルト。


「どうして動けるんだよ・・・」


その歩みに
驚愕の色を隠せないセイト

会場は静まり返り
今はコンクリートをこする
ザッザッという音しか聞こえない

目の前にいるのは
憤怒の形相で自分に向かってくる
あの狂った男だった。


「俺の・・・
俺の思い通りに
ならないものなんて
あっちゃいけないんだよ」









(ソルト・・・)















(火の魔術が使えなくとも
お前は俺の息子だぞ)























ぶちぶちぶちぶち
体の腱が切れるがごとくに

セイトが張った植物の根が
いとも簡単にちぎれていく。


「魔力を練って造った
刃物でも切れないほどの
強度を誇る
魔界植物の根だぞ・・・」

そんなセイトを無視して
唐突に飛びかかるソルト。


バックステップで初撃をかわすと
袖口から無数のつるで
反撃するセイト

しかし・・・


爆音と共に肉片が舞う
血が吹き出す。


これは・・・



そう、火の魔術だった。