あたしが「うん、分かった」と笑顔で答えたら、チッって舌打ちをして里菜の所に戻っていった


ま、別にいいんだけどさ…


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「じゃあ、今日は解散!!!」



「さようならー」



低学年まではちゃんと声を出して挨拶してたけど、流石にこの学年になると少し抵抗がある




真面目の人はでっかい声で挨拶してるけど…



あたしは、お辞儀だけ



小さく「さようなら」って言ってる




……さて、みんながいなくなるまで何をしようかな



「麻遊」



隣から小さく自分の名前が呼ばれて、目を見開いて相手を見ると、その人の手には一枚の紙が握られていた



その紙が何なのか分からなくて首を傾げると



今度は「ん」と渡された



中身をみると



ボールペンか何かで、メールアドレスと携帯の番号が書かれていた



何でメアドと携番?



疑問に思っていると



「ほら、知らないと…いろいろと不便だろ?だ、だから…その…」



なぜか焦りながら言っているのが、可愛くてつい、「ぷっ…あははは…!!」と吹き出してしまった




笑われた本人は不機嫌になったが



「ごめんごめん…!!」



謝ったら、まぁ…許してくれた



「今日、何かあったら絶対連絡しろよ」



遥翔は小さく、そう言って教室を出た