この時間は休み時間で、全員教室にいて一斉にあたしたちを見た
嫌みの言葉と共に
「あれぇ?麻遊と遥翔くん、今までどこで何をしてたのー?」
「どーせ、いやらしい事でもしてたんじゃないのー?」
「あー!!ありえるかもぉー
だって、麻遊のお母さん浮気ばっかしてるもんねぇ」
「…………」
里菜とその他
いい加減キレていいかな?
あたしの事はなんて言われも別にいい
けど、ママの事を言われるのは我慢出来ない
「ふざけ…!」
「おまえら、いい加減にしろよ!!!
いやらしいことって何だよ!
…んな事やるわけねぇだろ!!!
おまえらバカかよ」
「遥翔くん…」
遥翔…
あたしの代わりに言ってくれた?
「んだよ…」
「いや…」
遥翔に睨まれた里菜は、ぶりっこしながら眉を八の字にして困った顔をした
「…キモい。自分の顔を鏡で見たら?」
睨みながら言った遥翔に里菜は
「ひどい…」って言いながら泣き出した
他のやつらは「五十嵐くんひどーい」と言って里菜を庇った
「バカみてぇ…」
「遥翔……」
あたしは何もする事ができなくて、ただ遥翔の名前を小さく呟くことしか出来なかった