男はあたしを見るとニヤァと不気味な笑みを浮かべた
危ない。
本能で感じ取った
だけどこいつは危険だと分かっているのに…
逃げられない。
「やっと起きたんだね
結構待ったよ?」
優しく言ってるつもりだろうけど、目が笑ってなくて怖い
「んんんー!!」
必死にもがいていると
「うるせぇよ…」
とどす黒いオーラを纏いながら低い声で言ってきた
「……んん…!!」
男に対する恐怖心があたしをパニックにさせた
うるさい
何度も言われても抑えきれなくて、じわーと胸が苦しくなって涙がこみ上げてきた
それでも泣かないようにして必死に抑えていたけど、とうとう涙腺がプツンー…と切れた
ポロポロと涙がこぼれ落ちて膝の上にポタポタとシミを作っていった