「あんたたちにはっ…あたしの気持ちなんて分からない!!」
「「わかりたくもないわ!!」」
あたしと麻衣は同時に言った
「早由利の気持ちなんて誰もわかるわけないでしょ?」
「だったらっ…!!!」
「さゆっ!!!!!」
早由利の言葉を遮って里奈が声を荒げた
“さゆ”
早由利をこう呼ぶ人は誰もいない
「昔のあんたに戻ってよ!!
幼稚園の頃、さゆ言ったよね?
“あたし、優しい女の子になる”って
……今のあんたのどこが優しい女の子なの!!?」
二人は幼稚園からの幼なじみらしい
里奈の言葉を聞いた早由利は静かに涙を流していた
その涙は止まることなく流れ落ちていった
「さゆっ!!!」
里奈は早由利に駆け寄り抱き締めた
早由利は震える手で里奈の服を掴んだ
「ごめっ……!!ごめん!
りーちゃん!!」
涙声で里奈に謝る早由利
その光景は、温かいものだった