「 ・・・・鍵? 」




一つしかない窓から
差し込む光が反射して
眩しさに目を細めながらも
それを指先でつついて、




「 ・・・・本物だ 」




なんて、当たり前のことを
口にしてしまった。




途端に、押し殺すような笑い声が
耳を掠めて顔を上げれば
先生が手で口元を覆いながら
肩を震わせていた。




「 それ、・・・ここの鍵 」


「 ・・・・・・・え・・・? 」


「 俺は大体ここに居るから
  苦手な数学聞きたいときは
  ここに来ればいい 」




本当にいいのかな、なんて
思ったのは一瞬で。