「 ああ、東条先生はなー・・・ 」
”書庫に居るから”
あまり使われていない第2校舎の
3階突き当たり、無駄に広い
図書室の奥の奥にあるその部屋。
先生も生徒もあまり来ないからか
やけに埃っぽい図書室。
本当にいるのかな、なんて
静か過ぎて不安になりながらも
奥の奥にあるドアをノックした。
─────────ガチャッ
「 ああ、お疲れ 」
両手で抱えていたノートを
ひょいっと先生は持ち上げて
”入れ”と足でドアを開けた。
初めて入った書庫は少し狭くて
そのくせ大きな本棚が並んでいて。
散らばった本を踏まないように
隅っこに立って、先生を見上げた。