声をかけたら言葉を返してくれる。盗聴器から聴こえる様子も特におかしいところはない。いつもと何も変わらない里桜……のはずだ。
……でも、うまく言葉には表せないが、やっぱり里桜の様子がおかしい。
たとえば――。
「里桜」
「――っ!は、はいっ?なんですか?一夜さん」
名前を呼べば返事をしてくれるものの、俺と視線は合わせようとしないし、どこか落ち着かない。何か、後ろめたいことでもあるのだろうか?
無理に聞き出すのは俺の性に合わないし、聞き出すことで里桜を傷付けてしまうのは嫌なので、そのことについては触れないが。
「……いや、なんでもない」
「……そ、そうですか」
ホッと、安堵の溜め息を吐いて安心した……かのように見えた。
もしかしたら、俺には言えないようなことなのかもしれない。それならば、尚更無理に聞き出すような真似をしたらダメだな。
里桜が言い出す気になるその時まで、気長に待とう。
――そう考えていた刹那、里桜の携帯電話から、メールの着信を知らせる軽やかなメロディーが流れた。
里桜は素早く携帯電話を開き、届いたメールを確認する。
……でも、うまく言葉には表せないが、やっぱり里桜の様子がおかしい。
たとえば――。
「里桜」
「――っ!は、はいっ?なんですか?一夜さん」
名前を呼べば返事をしてくれるものの、俺と視線は合わせようとしないし、どこか落ち着かない。何か、後ろめたいことでもあるのだろうか?
無理に聞き出すのは俺の性に合わないし、聞き出すことで里桜を傷付けてしまうのは嫌なので、そのことについては触れないが。
「……いや、なんでもない」
「……そ、そうですか」
ホッと、安堵の溜め息を吐いて安心した……かのように見えた。
もしかしたら、俺には言えないようなことなのかもしれない。それならば、尚更無理に聞き出すような真似をしたらダメだな。
里桜が言い出す気になるその時まで、気長に待とう。
――そう考えていた刹那、里桜の携帯電話から、メールの着信を知らせる軽やかなメロディーが流れた。
里桜は素早く携帯電話を開き、届いたメールを確認する。