洋佑は死んだと警察の人は教えてくれたが、それは正当防衛で殺されたのだと訴えた。

 私は、“自分が桐生さんに恋心を抱いている”以外のことを、なるべく細かく、警察の人達に話したんだ。

 警察の方々は険しそうな表情をしながら、私の話を順番に自らのメモ帳に書き込んでいく。

 私の訴えは……。

 桐生さんは世間的に許されない行為をしてしまった人だけれど、心の底から悪い人ではないからすぐにでも釈放してほしいという私の訴えは……。

 警察の方々に、警察の方々の心に、ちゃんと届いたのだろうか……?

 私には分からない。けれど、こんなことしか、今の私には桐生さんのために出来ないから……。


「──調査のご協力、感謝する。篠原さんはゆっくりと休みなさい」


 体格のいい警察の方がそう言うと、気弱そうな警察の方と共に病室から出ようと、私に背を向けた。私はそれを、慌てて引き止める。


「待ってください!」

「……なんだ?」

「桐生さんは……すぐにでも、釈放して……もらえるんですか……? それとも、やっぱり……終身刑……なんです、か……?」


 私の声は、震える。警察の方の口から出る言葉が怖い。終身刑だったらどうしよう。