そっか。自分で自分の眼球をくり抜いてしまった後、桐生さんはちゃんと、病院で診てもらっていたんだ。この、目の前にいる白井さんに。
「ありがとうございます!」
「えっ?!」
私は反射的に頭を下げてお礼を口にしていた。
「どうしても、今、白井さんにお礼が言いたくて……。私はその時のことを詳しくは分からないけれど、白井さんが桐生さんを診てくれたんでしょう? 診て頂いてありがとうございます!」
いきなり頭を下げてお礼を言って、きっと白井さんは驚いているよね……。
それでもやっぱり、私はちゃんと白井さんにお礼を言っておきたかったんだ。白井さんのおかげで、桐生さんは救われたっていうのもあるんだろうから。
「ふふっ……もう数年前の話なのに、変わった子ね、あなた。──でも、おかげで桐生さんがあなたを好いた理由が分かったような気がする」
「えっ」
「あの時の桐生さんは“春香、春香、春香”って、まるで壊れたラジオのようだったけど。……さっき、手術が終わって一命をとりとめた桐生さんを見掛けたら、生まれ変わったように生き生きと──」
「おい」
「あっ」
嬉しそうに話す白井さんを、慌てて止めた綾部さん。
「ありがとうございます!」
「えっ?!」
私は反射的に頭を下げてお礼を口にしていた。
「どうしても、今、白井さんにお礼が言いたくて……。私はその時のことを詳しくは分からないけれど、白井さんが桐生さんを診てくれたんでしょう? 診て頂いてありがとうございます!」
いきなり頭を下げてお礼を言って、きっと白井さんは驚いているよね……。
それでもやっぱり、私はちゃんと白井さんにお礼を言っておきたかったんだ。白井さんのおかげで、桐生さんは救われたっていうのもあるんだろうから。
「ふふっ……もう数年前の話なのに、変わった子ね、あなた。──でも、おかげで桐生さんがあなたを好いた理由が分かったような気がする」
「えっ」
「あの時の桐生さんは“春香、春香、春香”って、まるで壊れたラジオのようだったけど。……さっき、手術が終わって一命をとりとめた桐生さんを見掛けたら、生まれ変わったように生き生きと──」
「おい」
「あっ」
嬉しそうに話す白井さんを、慌てて止めた綾部さん。