どんな反応をしたらいいのか分からず、とりあえず苦笑いを浮かべる。


「それは白井先生が俺のことをいつも変態変態って……」

「なぁ~に? 綾部センセー?」

「……い、いえ。なんでもないデス」


 白井さんの笑顔が黒い……。綾部さんに至っては、さっきまで使っていなかった敬語を使っちゃっているし……。

 仲良いのか良くないのかイマイチよく分からない……。どういう関係なんだろう?この先生たちは。

 でも、白井さんの黒い笑顔を見て綾部さんが敬語を使ったということは、白井さんは怒ったらとんでもなく怖いんだと思う。それは間違いない。


「オッホン。……えー、里桜ちゃん? 今、お話をしても大丈夫かな? どこか苦しいところや痛いところがあったら、遠慮なく言ってね?」


 綾部さんが私に問う。それに対し、私は頷きながら、「先程、上半身を起こしたら頭に痛みが走ったけれど、今は大丈夫です」と言葉を返した。


「え、本当に今は大丈夫なの?」

「はい。大丈夫です」

「他に違和感を感じるところとか、ない?」

「特には……」


 綾部さんは、他にも私の身体に変わったところがないかを質問した。それに対して返した私の言葉の1つ1つを、丁寧にカルテに書き込んでいく。