ジッと２人を見つめていると、綾部さんがニッと笑った。それに気が付いた白井さんが、すかさずカルテを挟んである板で綾部さんの頭部を叩く。

　──バンッ！

　……かなり痛そうな音がしたんですが。でも、綾部さんは普通にしている。……音がすごいだけで本当はそこまで痛くない、のかな？


「はじめまして、里桜ちゃん。私は白井よ。で、こっちのヘンタ……イが綾部センセー。よろしくね？」

「セーイッ！今言い直そうと思ったけどそのまま繋げて言ったよな？！変態って言ったよな？！だから俺は変態じゃないって何度言えば……」


　──バンッ！

　綾部さんが必死に声を荒げていたけれど、白井さんはそれを笑顔で、再びカルテを挟んでいる板で叩いた。

　……また、かなり痛そうな音がしたんですが。本当はものすごく痛いんじゃ……？それとも、もしかして、叩かれ慣れていたりとか……？

　私は考えを振り切るようにして、白井さんに話し掛けた。


「あ、あの……？」

「あー、ごめんなさい。変態がうるさくて。いつも声を荒げるな変態って言っているんですけど、なかなか静かにしてくれなくて……」


　へ、変態って……。なんだかすごい個性的な先生達が現れたなぁ……。