「……ん？」


　玩具や、私がお願いしたモノが置かれている真っ白い棚の下に、白い紙のようなものが落ちているのが見えた。

　なんだろう？……と不思議に思いながら近付いてみると、それは掌ぐらいの大きさの紙のようだった。

　何気なくひっくり返してみると、そこには笑顔の桐生さんと見覚えのない女性が１人、肩を並べて写っている──写真。


「これ……なに？」


　今の桐生さんからは、想像がつかないくらいに優しそうな満面の笑顔。隣の女性は、大人しそうな……清楚な感じの女性。歳は桐生さんと同じくらいだろうか？

　どこで撮ったものなのかは分からないけれど、見るからに２人は仲が良さそうで、なんとも言えない独特の雰囲気が流れている。

　もしかして、この女性は桐生さんの彼女さん……？でも、桐生さんは嘘はつかないって分かっているから、私を誘拐して監禁した理由は偽りではないはず。

　それじゃあ、この女性はどこへいったの？別れた……の？桐生さんは今でもこの女性のことが好き……？

　でも、何かしら特別な想いがあるから、こんな写真が部屋にあるんだものね。

　……まさか、私はこの女性の代わりにされてる……とか？

　思考を働かせ、色々と推理をしてみたけれど、頭の中がこんがらがってきただけだ。