翌朝、いつものように時計の針が7時50分を指すのを確認してから家を出る。

朝日が眩しい。天気予報によれば、気温は六月下旬並にまで上がるそうだ。







昨日、利紀との電話の後、もう一度考えた。これから綾桧と、利紀と、どうやって付き合っていくべきか。結構時間をかけて、それなりに悩んだつもりだ。
正しくは無いかも知れない。だが、答えは出した。










綾桧はいた。

角の電柱にもたれて携帯をいじりながら、俺を待っていた。
俺の姿を認めると、その携帯を閉じてこちらに小さく手を振る。






そこにいるのは、俺のクラスメイトの植本綾桧。

俺の友達の植本綾桧。