『今度はちゃんと自分の好きな人と付き合うことにする』



その言葉とその声が頭に焼きついて、俺は家に着いてもテレビすらつけず、ただベッドに突っ伏した。



結局その後、綾桧はくるっと向き直って走るように帰っていってしまったため、言葉の真意を問うことは出来なかった。

…いや、例え綾桧があの場に留まっていたとして、俺はどう切り出せばいいか考えつかなかったろう。






自意識過剰と思われるかも知れない。

だが、綾桧は…






…それに続く言葉を考えるのが怖くなり、俺は何のソフトが入っているのかすら覚えていないゲーム機の電源を入れた。