「森内、おまえは俺が若い頃から支えてくれた」
親父が榊を下がらせて森内の真正面に立った。
森内の持つグラスはブルブルと震え俺に掴まれたまま。
「俺の何が欲しかったんだ？富か？名声か？」
狂犬のような森内の濁った瞳は親父の言葉には反応を示さなかった。
「これを飲め、飲んでみろ」
もう森内が拒否することはできねぇ。
手に持ったグラスの中身を飲み干すか、を白状するか。
「………」
震える指でグラスを口元に寄せる。
口を開け、飲み込む寸前で、
「馬鹿野郎！！こんなもの飲めるかっ！！」
雷が落ちるような耳が裂けるほどの叫び声を上げた。
俺の手を振り払い、一也が押さえた体も蹴り飛ばし拓也の羽交い締めにした体も反転して返す。
手負いの猛獣のように暴れまくった。
