「森内、どこへ行くんだ?ショーはまだ途中だぞ」


笑いが出る。

桐花、桃花は俺を襲うことはなかった。
りおの信じた彼女らは確かに命を取らなかった。


「まあ、ゆっくりしよや」

ショーの終盤まで一也に掴まれていた森内はもう血の気がなかった。腕を支えられてないと崩れ落ちてしまうほどだった。




「勝負ついたな」

りおの前で踏ん張っていた仁が張り詰めていた息を吐き出した。


「後は差し出した毒をどうするのか、だな」

仁が目で合図をした。

魂の抜け落ちた森内が目の前に崩れるように座った。


ショーが終わり幕が引かれて会場は元のようにあちこちの談笑が聞こえるくらいになった。