親父。留恵さん。
ふたりの兄貴。
会場に集まった大神の関係者たちの前での盛大な御披露目。

りおに害を為すものは最初から弾き排除した。


「りお、舞台に上がるぞ」

「うん」

「おまえはおまえなりの挨拶をすればいいからな」

「うん」


りおの手を取り、ふたりでステージ上がる。


わあ。
上がった瞬間に純粋にりおを見て美しいと感嘆のため息がこぼれた。

大神組関係者には、捕まって監禁された俺を龍神会に榊と乗り込み奪還したことでも知られ、一目置かれていた。

ほう。
りおに好奇な目が向けられる。


「若頭が溺愛してる女」


舞台に上がりふたりで挨拶をした。