ふ。

テーブルの上に手紙が置かれてあるのに気づきそれを読んだ。


『アリガトウ。必ず戻ります』


そうひとこと書かれてある手紙をぎゅっと握りしめた。


「……奏さん、それ」

「ああ、手紙だ」


開いてりおに見せると複雑な表情を浮かべた。


「……ここが一番安全だからって言ったの」

ここから誰にも知られないように無事に逃がすって約束したの。

愛する家族の元へ帰りましょうって言ったの。

なのに、


―――どうして


りおの肩が小刻みに震え大きな瞳から光が浮かんだ。