「りお、俺の勘はよく当たるんだぜ」

「じゃあ、パーティーでその森内って人にそれを飲ませるの?」

俺の袖を引いて聞くりおに、
「ああ、そうだ」と、答えた。


「ここからは俺たちの汚い仕事だ。その先を気にすることはねぇぞ」

「…うん、わかってる」


裏の世界のことはりおには見せたくない。

わかってほしいと思う反面、わからないでいてほしいとも思う。
わざわざ汚い世界を見て心を痛めることもねえ。

この世界には世界の掟がある。

頷いたりおが、
「じゃあ、わたし桐花さんと桃花さんのところに戻ってるね」

「そうだな、その方がいい」

少し疲れたように目を伏せた。