「森内ひとりの動きにしては事が大がかりではないかと」
「……森内の他にもいると?」
「さあ。それはまだなんとも」
榊は苦笑いを溢し、さりげなくポケットから懐中時計を取りだし時間を確認した。
「時間はあと20分です」
若、どうしますか?
「仁はどう思う?」
話を振られた仁は顔を歪めて笑った。
「森内を締め上げて吐かせればいいだけだろ?」
「口を割りますかね」
「りおはどう思う?」
話を振られたりおが驚きながらも答えた。
「わたしはその森内って人知らないけど、もしその人が他のひとと手を組んでるのだとしたら、自分が危機的状況になれば誰かに助けを求めたりしないかな?」
「森内を危機的状況に追い込む、…か」
「りお、」
「え?」
「おまえ、最高だ」
りおの額にくちづけ口の端をあげた。
「ひゃっ!?」
「最高だ。なあ榊、仁が今手にしてる毒を森内の目の前に出してやるってのはどうだ?」