大神の勢力図を頭の中で広げ森内の立ち位置を確認する。

親父と俺を闇に葬り笑う森内―――





「奏、りおが桐花と桃花から毒薬の袋を預かったぞ」

「、」

『パーティーが終わるまでは内鍵をかって一歩も外へ出ないでね。ここが一番安全だから』

ふたりに言い置いてりおが控え室を出る。


「奏、」

「ああ、俺たちも出るぞ」

モニターのスイッチを消し控え室を飛び出した。


「りおっ!」


半泣きの顔がまだ残ってたりおを出会うなり抱き締めた。

「…奏さん?」

黒曜石の瞳も今は濡れたように光ってた。

「……りお」

無事でよかった。

最悪の事態を覚悟した俺の腕の中で確かに存在する俺のかけがえのないもの。

もうあんな思いをしたくない。
りおにさせたくない。






「おい、いつまでも目の前でいちゃつくんじゃねえよ」

突然の声。

ふりむくと仁が悪鬼の表情で仁王立ちしていた。