だが。
と、ひとつの区切りをつけため息をついた。
「認めるわけにはいかない」
「!!」
思わず腰を浮かす。
親父が渋味のある表情を崩した。
「認めるわけにはいかないと言ったのは撤回する」
「………」
「勝負にはわしはすでに負けていた。奏に力負けした時点で体勢が崩れた。その時にすでに勝負はついていた」
わしの負けだ。
「奏、おまえのりおさんを認める」
「…親父」
「…お義父さん」
声が震えて喉に言葉が詰まる。
―――認められた
認めてほしいと思ってた。
俺が選んだ女を親父に見せたかった。
認めさせかたった。