「…その後は転がったまま意識ないおまえをここに運び込んで、」



「―――腹の中の…ダメかと…思った…」

ダメかと…思ったんだ。





「…お腹の、子?」



りおがが顔色を変えた。




「…ダメ、だった、…の?」

奏さんの赤ちゃん…ダメだったの?
お腹の中の命ダメだったの?


「……わたしが奏さんの、言うことを聞かなかったから、だから」


―――奏さん…の、赤ちゃん…ダメだったの?


りおの瞳からぶわっと涙が込み上げてきた。


「ダメ…だったの…」



声を詰まらせ、俺から顔を背けることしかできなかった。

頬を伝ってボロボロと雫が手の甲に落ちた。



ひっく、ぐすっ



泣き声だけが部屋に響いた。