「……倒れ、た?」

「無茶ばかりするからだ」

真っ直ぐに捉える瞳は事の重大さに気づいてない。


「……なんで飛び込んできたんだ」


そう言って初めて間に飛び込んだことを思い出したようだった。

「……奏さんのお父さんは?」

「ああ、無事だ」

「そう、よかった」


胸を撫で下ろすりおはまだ気づかない。


「何がよかったなんだ。良いわけないだろ。ひとつ間えばおまえは死んでたかもしれねぇんだぞ。
親父が飛び出して来たおまえを抱えて転がらなかったらどうなってたと思うんだ」


りおの目が、はっ、と開いた。