「りおっ!!」
「奏、動かすな!誰か!!誰かいないかっ!!」
親父が叫ぶと、どこに控えていたのか、親父の懐刀の桐生が現れた。
「桐生、」
「成田を呼んであります」
成田?
成田がいるのか?
「奏、動かすな!」
掬い上げようとした肩を親父が制した。
「成田、頼む!」
「組長、奏、ふたりでなくなんでお嬢ちゃんなんだ?」
「成田!」
滑り込むように成田が現れて片膝をつき脇に構えた。
「頼む」
「ああ」
「奏、そのまま手を離してくれ」
白いワンピースの胸元の中に聴診器を入れ音を聞き、
「奏、俺に言うことは?」
探るような目で見返した。
「……りおの腹の中に、」
「………」
後を理解した成田は手際よくワンピースの裾から聴診器を入れ音を聞く。