「来るな!!」



ビクッ

鋭い叫びにりおが立ち止まった。

これは真剣勝負だ。
例えりおでも親父との間に入るのは許されない。


キラリ光る構えた刀がりおを阻む。



「奏さん……」


「俺は負けない!」




もう止められない。
どちらかが負けを認めるまでは止められない。




ガン!!



振り降ろした太刀がぶつかり合う。


ガン!!
ギギッ!!

鈍い音が響き途端に四肢に衝撃が走り抜けた。



ガキッ、ガチッ

シュル

風を、空を切る音が響く。



ビッ

「!!」


音がした瞬間、白いワイシャツに血が散った。



「きゃ、」


思わず悲鳴をあげそうになって口を押さえたりおが親父の肩越しに見えた。



「こんなの大したことねえ!!」



少し切れたんだろう。一筋流れて紅い血が伝った。