「……これ」
「俺の気持ちはおまえと出会ってから変わってない。迷いなんてない」
「奏さん…だけど、」
「俺の気持ちは変わらない」
「でも、」
わかってる。
りおの言いたいことくらい。
りおの両親は娘の幸せは俺にあると言ってくれたが、問題が他にもある。
俺たちだけの問題じゃない。
「りお」
覚悟は当にできている。
「―――今夜、おまえを連れていきたいところがある」
「……どこへ?」
「俺の家に」
見上げる黒曜石の光が更に膨れ上がる。
「俺の生きる世界に連れてく。おまえを、…おまえと腹ん中のガキを」
そう決めたんだ。
「親父に会いに行く!」