誰にもおまえに手出しはさせねぇ。
おまえは俺が守る。
守ってみせる。
「…うん」
「おまえが心を痛めたりしないようにする」
だから。
「?」
「手を、出せ」
「?」
涙を拭い俺を見上げて震える両手を差し出した。
「絶対に外すなよ」
胸のポケットから取り出したものをりおの左薬指に納める。
「こ、れ?」
ひとつは細くて艶消ししてる白金のリング。
もうひとつは、花をモチーフにしたダイヤのリング。
以前、りおが仁に拐われる直前に買った代物だ。
「こ、れ?」
ぐすっ
「嫌か?」
「……違うの。これって…」
りおの指にはめたリングと俺の目を戸惑い交互に見る。