何があってもりおを手離さない。
この先どんな困難が待ち構えていたとしても乗り越える。
失うものがたとえ多くても、俺にはりおさえいてくれればいい。
ゆっくりと目を開けて周りを見渡した。
カウンターの前に、ソファーの上に、あちらこちらにりおの幻が見え、その横に野球帽を被った小さな男の子がいた。
『おとうさん』
りおと小さな子の幻が振り向いて笑ったと同時に消えた。
「……りお」
今垣間見えた未来を、これからおまえが選ぶ未来として俺に聞かせてくれ。
「俺はおまえを手離さない」
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