顔をゆでダコのように真っ赤にして口をパクバクさせた。


「おまえは俺のもんだからな」

「だけど、あの、」

「何が悪い?」

「……悪く、ないけど、でも」



りおが口を尖らせて抗議したが、わざと痕をつけてやったんだしと知らぬフリをした。


「仁さんにやきもちですね」

「………」

「こちらに来てから仁さんがりおさんにべったりなんでやきもちなんです」

「余計なこと言うな」

「りおさんに触れていいのは、お兄さんの仁さんだけなんで苛立って拗ねてるんです」


ふん。

頬杖ついて横を向くと仁が真顔で驚いていた。


「若、ホントにやきもち妬いてたんか」

「悪りぃか」

「え?奏さんがやきもち?うそ」


目を輝かせてりおが俺の顔を覗くのを顔を背けて隠した。