チュンチュン
チチチ、チチチ
窓辺から鳥の囀ずる声がする。
肌寒さに身を寄せるりおを腕の中に抱き、昨夜涙に濡れた頬にキスをした。
寒くないようにと肩までシーツを引き上げる。
タバコを手にして、だがやめて箱に戻し箱ごとグシャリと握りつぶした。
「りおに害がある、か」
常にタバコを手にしてたが今は吸う気になれなかった。
潰した箱をゴミ箱に放り投げる。
タバコを吸わねえりおに、気管支炎が弱いりおには毒だ。
「もう吸うこともねえな」
りおの前でもう吸うこともない。
俺自身よりりおが大事だ。
命よりも大事なもの―――りお
おまえが一番大事なんだ。
そう思った。