「……りお」
「……、」
溢れて流れる涙をくちびるで拭う。
頬に、首筋に、胸元にくちちづける。
傷ついた痛み。
痛みがあるのはりおだけじゃない。俺も同じだった。
「……そう、さん…泣いて?」
最後まで言わせず、りおのくちびるを無理矢理塞いだ。
痛いのはふたり。
同じ痛みを抱えて呼吸する。
「……ぁ、」
ピクンと跳ねる白い肌を開いていく。
重なる肌の鼓動が徐々に早く大きくなっていく。
幾度か重ねた肌。
まだぎこちない愛がある。
―――壊したい。
めちゃめちゃにして。
俺のものだと世界中に知らしめたい。
壊したい。
今あるすべての悲しみや苦しみを壊したい。
ふたりの間にある切なさを壊したい。
「……りお」
「……そう、さん」
他の言葉なんて必要ねぇ。
ただりおだけを感じたい。