一番奥に転がった男の襟を掴み上げた。


「よせ」

「悪いが俺には命乞いは通じねえ」


足の甲を撃ち抜き次の瞬間には絶叫が響いた。



「急所は外しておいてやる。今後大神に手出ししようなんて考えるな」


撃つ度に頭は冷静になり冴えていく。

次の階も同様に残っていた男らの腕一本、足一本折り、動きを封じて見せしめで引き摺り出したヤツの手足を撃ち抜く。


「若、幹部クラスはすでに逃げ出して連絡は取れません」


前広がどこから手に入れたか、幹部名簿連絡先が記されていた紙を片手に、龍神会から電話をしていた。

繋がらない。

名簿見て次の幹部に掛けても誰も出ることはなかった。



「逃げたな」

「どうします、若」

「今は放っておけ。息ができなくなったら水面に顔を出してくるだろ。その時には―――」

「わかりました。では、この名簿だけもらっておきます」