仁がりおの頭を撫でた。
「榊、後は頼むぞ」
車を降り龍神会のビルを見上げる。
大神組とは違い、裏でヤバイことばかりをして稼いで急成長した組だ。
先代は頭が良く大神に楯突くこともなかったが、跡目を継いだ息子は箸にも棒にも掛からない男だった。
―――その男が
丸井に撃ち抜かれた。
榊から最期を話を聞いた。
床を這いずって逃げまわり無様な姿だったと。
「若、」
仁が、前広が揃い毅らが俺の言葉を待つ。
深呼吸して声を張り上げた。
「行くぞ!!」
一斉にビルに突入し、二手に別れて階段を上がっていく。
「若、この階は誰もいません!」
「上に行くぞ!」
毅らを連れ更に階段を上がる。
「うりゃあああっ!大神っ!死ね!!」