「で、そいつは?」

「わか、らない。…ただ金色の目だけ」

「りおを見ていただけか?」

「わから、ないの。…光ったからただ怖くて」



闇に光る金色の眼。

りおが怖がって震えるのは多分今晩だけのことだからじゃないんだろう。



「……いつからだ?」

「若?」

「今夜だけ見られてた訳じゃないだろう?いつから見られてる?」

びくっ

明らかにりおが反応した。

「……先週、」

「なんでもっと早く言わない」

「若、やめましょう」


非難めいた榊の視線を感じたが事は重大だ。


「おまえを預かってるのは俺だ。おまえの身に何かあればどうする。何でもいい。何かあったら俺を頼れ」

「……奏さん」

「仁、防犯カメラの映像を先週からチェックし直せ。」

「わかった」

「榊は俺がいない時にはりおの護衛をしろ。片時も目を離すな。学校では―――わかってるな?」

「そのように手配します」

「必要以上に近づく奴がいたら調べろ」