「外に何者かがいたのは確かなようです。キッチン前に足跡がありました」
ピクッ
腕の中にいるりおが体を震わせる。
「一也、持ち場に戻っていい」
「はい」
一也が一礼して下がると仁が向かいのソファーに腰を下ろした。
「あんたが見たのはどんなヤツだ?」
「仁、りおさんが落ち着いてから話を聞きましょう」
榊が眉を寄せて抗議したが仁は真剣な目でりおを見ていた。
「き、金色の目が、ふたつ……外で光って」
震えながらもゆっくりと身を起こしたりおを離す。
「金色の目?」
「こっちをじっと、見てたの」
「金色……コンタクトか」
「気のせいかと、思ったけど、違うの…光ってたの」
「敷地内に侵入とは大胆だな。命知らずなヤツもいる」
見つかったらただじゃすまねぇのにな。