「無理しないといいのですが」

「そうだな」



コーヒーを飲み、タバコに火をつける。

タバコを燻らせていたら、突然。

ガシャーン

何かが割れる音がして、顔を真っ青にしたりおが胸の中に飛び込んできた。



「りおっ!?」


顔を擦り付け震えているりおを抱き留めて身構える。

尋常ではない脅えかただ。


「どうした!?何があった!?」


「……誰かが、外に、いたの」


「榊!」

「調べます」


榊が仁と毅らの名を叫び、敷地内の不審者を逃がさぬようにと指示を飛ばす。



「こ、こわ、」

「落ち着け、俺がいる」


飛び込んできたりおの背中を包む。

セキュリティ万全の敷地内に何者かが侵入し、りおを狙ってるのか?



「防犯カメラには不審者は映ってません」

「一也!」

「何かの見間違えじゃねえのか?」

「仁!」