「…キレハ」
『嗚呼、すみません。…それで、これからどうするつもりですか?』
ラルさんの呼び掛けに我に返ると、静かに問い掛けた。
私としては、親戚の所に行く、とでも言うのかと思っていた。
しかし、ラルさんは全く違う言葉を口にした。
そう。
「お前と一緒に旅をする」と。
『何故?』
私は聞かずにはいられなかった。
旅をするなら、一人ですればいいでしょう。
私と一緒に行く意味も理由も分かりません。
そう淡々と告げると、ラルさんは
「俺は、ミルに頼まれたしな。………後は、二人で行動してた方が楽だろ?」
と、微かに笑いながら、私を見て告げた。
その後、暫く論議を繰り返したが、結局ラルさんは引かず、私が折れる羽目になってしまった。
「これから宜しくな?」
『……必要以上に関わりたくないです』
ひでぇ、とけらけら笑うラルさんを無視して、私は歩き出す。
その後ろから、ラルさんは小走りで私の横に来て、私と共に歩く。
――こうして、私とラルさんの旅は幕を開けた――