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「――……っ、あ、キレハ!!無事だったか!!」
「キレハ、さん……?」
「キレハっ、ミル!!逃げるぞ!!」




ラルさんはミルさんと私の腕を引いて駆け出した。
私は引きずられていくだけ。



本当は、気づいているんだ。
きっと私だけが知っている。
次に起こる悲劇を。


そう、

――ミルさんの背後に、兵が構えていることを――








「キレハさん…?どうかしっっっ!!」
「ミル!!??」
「と、残り二人か。さっさとやるかー」

ミルさんは倒れ、ラルさんは涙を溜め、兵士は薄い笑みを浮かべる。



「フードの奴からやるかー?……コート?――黒、いコート、長い白、髪、碧い瞳!?も…しかして…お…ま…!?」
『黙れ』


驚いた顔の兵士なんて知らない。
私の事を知っている兵士なんて、消してやる。



消してやる、消してやる、消してやる消してやる―――









それからの事は、覚えていない。