でもこれは、恋愛とかじゃなく、ただの好奇心だった。
「あぁ。はなちゃん?いい子よ。」
「そうじゃなくて!なんで、不登校なんですか」
 一番聞きたいこと。
 でも聞いて良かったのか。
 俺は少し後悔した。
「・・・はなちゃんね。不登校っていうか保健室登校してるのよ。」
「だから、なんで?」
 回りくどい先生にいらついてしまった。
「どうしてそんなこと聞くのよ」
 先生は笑いながら机の引き出しを開けたり机の上の物に触ったりし始めた。
「・・・楓谷って、なんかに怯えてますよね。」
 そう言うと先生は動きを止めた。
 しばらく沈黙が続く。
「神守君は勘が良いのね。なんか神守君、安心できる存在になりそうね。」
「は?」
 俺は先生が何を言っているのか分からなかった。
「いいわ、教えてあげる。はなちゃんのこと。」
 俺は息を飲んだ。
「はなちゃんはね・・・。」
 楓谷はなび。
 こいつは、簡単に言えばいじめられて不登校になったらしい。